松木さん的解説

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サッカーの解説で<松木安太郎>については、多方面でいろいろご意見があるかと思いますが、僕は、あれほど痛快な解説者はいないと思っています。


松木さんの解説で、一番言われるのが「うるさい」でしょう。


でも、本当にうるさいですかね?


一般的な解説者と視点というか論点が違うだけで、そもそも、分かっているような感じで話している方がよほど「うるさい」と思います。


実況でも、選手の名前を間違えたり、最近特に気になるのが、実況がプレーについて主観を述べることです。

『おいおい、あなたは何様ですか?』と言いたくなるような実況がいます。


そうじゃないかもしれないけど、僕に言わせれば、実況は実況だけしていて欲しいです。


ただ、解説は解説だけしていても駄目だと思います。

っていうか、サッカーほど分かりやすい競技で解説って必要ですかね?


以前は、オフサイドが分からないとよく言われましたが、最近はどういうのがオフサイドか、映像で何度かリプレイされるので分かりやすくなっています。


それでも、オフサイドを取り上げる人は、単にサッカーを理解しようとしないだと思います。


ラグビーのオフサイドよりよっぽど分かりやすいですし、反則もサッカーというスポーツが壊れない程度に見た目にも分かりやすいし、ゴールは1点なので、こういうのが何点で、こういうのが何点、とならないから本当に分かりやすい競技だと思います。

ただ、小さいころから親しんだ競技でないというだけで、ゴールの奪い合いという側面で見れば、本当に分かりやすい、、。


そこに、解説が必要かどうかです。


今の解説の多くは、新聞記事について本当かどうか、戦術論についての講釈、監督が何を考えているかどうか、今のプレーを選択した選手の"気持ちになって"伝えているだけで、実況も含め、他の競技のようにルールを説明することはほとんどありません。


で、そこなんです。

戦術論や監督・選手の心の中を読むのって、解説にしてもらわなくていいと思います。
なるほどな、と思うことも確かにありますが、度を超すと、なんであなたがそんなことが分かるの? 言えるの? となってきて、本当に最近はレベルの高い解説者とそうじゃない解説者が鮮明になってきました。


ちなみに、僕も解説をしたことがありますが、レベルの低い解説者でした。
もう一度やってみたいですが・・・。


しかし、松木さんは凄い。


日本代表の解説が多いのですが、自国に対しての有り余る愛情表現が、とても楽しいです。

ある意味サポーター的な感覚になるのでしょうか。

僕はそういう視点で試合を観ないので、どちらかというとすごく新鮮で、いつも「この人は勝手だなぁー」と思いながら、逆に、「分かったようなことを言うなよ」と思うことが全くない。


セルジオ越後さんが、協会や組織の制度や、育成の問題点について怒ってばかりの持論を展開するのもなかなかおもしろくて、松木さんとのコンビはベストでした。


テレ朝の中継映像もかなりレベルが高くて、そういうった中に松木さんの解説が心地いいというか、サッカーをサッカーとして楽しめる解説は感心しています。


他の局が悪いとは言いませんが、ぶっちゃけ、あり得ないカメラワークや、選手に代名詞的なフレーズを付けてテロップをわざわざ出してきたりする中継には本当に怒りを覚えます。

それをいいと思っている人たちもいるので、あくまでも個人的な意見ですが、スポーツはスポーツを通してでしか感動を得たり、興味を持ったりは出来ないと思っています。


そういうものを求めている時代だってことは分かりますが、スポーツ選手が怪我からの復帰や、闘病、家族の問題などが背景にあることは、ある意味、誰の人生にもあって、誰も順風満帆に過ごしてきた人はいません。

そうやって、テレビや雑誌で祭り上げることが、もの凄く気分が悪くなるし、実況や解説がそれぞれの感情を述べることがとても苦痛に感じます。


だから、松木さんのように、観たままをそのまま伝える。

松木さんの感情を述べるのではなく、感想を伝える、あの技術は天才的としか思えません。


日本代表が不調の時は喝を入れて、調子がいいと喜びを持って伝える。

相手チームや審判に対しても、「なんだよー」と言ってしまう、あの解説には本当にすっきりします。


そんな解説が、ソチでもありました。

松岡修三氏は少ししつこいので、やはりテニスでも解説をやらせてもらえないようですが、ノルディック複合の荻原兄弟は良かった。

何のフィルターもかかっていないってことがとても重要なんだと思います。


含みがあるような中継や感動番組が多すぎて、そういう付加価値的なもので客を釣ることが多すぎると思います。


一人一人が自分たちの目で、観たものそのままが全てであって、そこに実況や解説、製作者側の意図が反映するようなつくりこみは、その時点で嘘なんです。


松木さんは、そのままです。

観たままをそのまま伝える。

その裏にあろう何たるかなんてどうでもいい。


真実を観るということが、これからの社会とても重要です。

景気や雇用が本当に回復しているのか、日本代表は本当に強くなっているのか、オリンピック選手は本当に力があるのか、全て結果でしか分かりませんが、それぞれにフィルターのかかった情報が入ってきて、それに踊らされないように、真実を冷静に見極める努力をしなくてはいけません。


観たものをそのまま評価するには、解説は必要ありません。
実況だっていらないかもしれません。


ただ、観たままをそのまま伝え、こちらに考えさせてくれる、そんな松木さんのような解説を聞いてみて、改めて、踊らされないこと、真実を知る努力をし、やはり、自分自身の感性を信用することが最も大切にしたいと思いました。

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このページは、okudamaoが2014年2月21日 13:11に書いたブログ記事です。

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