堅守速攻

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全国高校サッカー選手権大会、インカレ、そして、天皇杯、、。

今年、その大会のすべてに共通して飛び交っていたのが、「堅守速攻」という言葉でした。

ヨコモジにすると、リアクション...ひらたく言うと、カウンターサッカーということです。


つまり、負けないサッカー、、、点を取られないことを前提とした現実的なプレーを選択するサッカーです。


「堅守速攻」は、高校サッカー選手権やインカレなどで勝ち上がるための套手段であり、天皇杯などで拮抗した者同士が戦って、タイトルを勝ち取りたいと思えば、正直、ベストな戦術になります。


一発勝負のこのような主要な大会は、日本のスポーツ文化の柱であり、その多くの歴史を支えてきました。

ただ、その先にある、代表の強化や、日本のスポーツ文化の発展には不向きであり、もっと掘り下げると、体罰問題の温床という意味からも、サッカーはいち早く、というか世界の当然の流れに近づく形で、徐々にリーグ戦文化へと移行しました・・・移行中です・・・この部分、世界の主要国からは何十年も遅れています・・・。


なんかこう書くと、「堅守速攻」が悪いもののように感じられますが、決してそうは思っていません。

むしろ、日本代表の進むべき道だとさえ思っています。

ほとんどが日本代表より強国にもかかわらず、どの対戦相手にもボールを保持して主導権を握るサッカーを展開するって、結構大変だし、そんなのスペイン代表くらいしかできないです。


アジアの中では、主導権を握ったサッカーを展開できると思いますし、 南米や欧州のいくつかの国に対しても可能だと思います。


しかし、昨年のコンフェデやウルグアイ代表戦は衝撃でした。

「攻めさせておいて」ボールを奪ったら一気にゴールまで。。。


圧巻でした。


日本代表が最後に「堅守速攻」で戦った試合で記憶にあるのは、南アフリカW杯での、パラグアイ代表戦です。

しかし、日本代表は無得点無失点という結果、PKで敗退してしまいました。


そもそも、この試合に関して言えば、明らかに戦術的なミス、スカウティングの失敗だったと思います。

それまでの戦い方が、リアクションであったのはグループリーグを突破するためで、もちろん、もっと上を狙っていたんでしょうが、パラグアイ代表FWに、すごくスピードがあって、決定力のある選手はいなかったのに、それにもかかわらず、ボールを保持して主導権を握ろうとしなった・・・ここに問題があっただけです。

自分たちの力をしっかりと把握して、相手をリスペクトさえすれば、ちゃんと使い分けられると思います。


代表なんですから。。。


ただ、高校サッカーや大学サッカー、Jリーグくらいのレベルで、「堅守速攻」じゃなきゃ勝ち上がれないっていうのは問題だと思います?

しかも、リーグ戦でもそうやって勝点を積み上げてきたって・・・言っちゃう?それ・・・。


勝つためだけのサッカーってやってて面白いですかね?

観客や選手の家族はそれで満足かもしれませんが、私は満足できませんし、多くの選手が"割り切っている"だけで、満足していないと思います。


現実的なサッカーって、、、じゃあポゼッションサッカーって非現実的なんでしょうか?


まぁバルセロナを好きなのはいいですが、バルセロナのサッカーをやろうとする考えは非現実的だと思いますが、、。


僕は、「勝つためだけのサッカー」を選択するのではなく、「勝負するサッカー」を選択して欲しいし、そう指導をしていきたいと思います。

自分たちが強くなるため、上手くなるため、楽しみを追及するため、、、何でもいいけど、サッカーの醍醐味ってやはり攻撃であり、ボールをどうやってゴールに運ぶかだと思います。

もちろん、1v1でボールを奪うのが好き、空中戦でヘディングで勝つのが好き、っていう選手もいますが、その選手たちだって、ゴールを目指して戦っているわけです。

守れば守るほど、そういう気持ちになれなるほど、実は守れないもんなんです。


学生や、まだ先のある高校生なんかが、「堅守速攻」を自分たちのスタイルって言いますが、寂しくなりました。


勝つためだけにサッカーを追及するんじゃなく、勝負をするからサッカーは楽しいんです。

だから、国の代表なのに、日本代表は浮き沈みが激しく、それはそれでみていておもしろいんですが、しかし、それはそれでどうなんでしょうか・・・?


サッカーを愛し、サッカーを指導しているものとして、少なくとも、携わった選手には、「堅守速攻が僕らのスタイル」なんて言わせたくありません。

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このページは、okudamaoが2014年2月 2日 15:52に書いたブログ記事です。

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